2017年04月02日

好きな小説


ここで突然ですが、ワナビーライターとして
私の好きな小説を紹介します☆

何故作家を目指しているのか、自分でもよく分からないのですが
(おいおい)、優れた小説は、読んだ時に「自分もこんな
ストーリーが書きたいな」と思わせてくれるのです。

私にそんな影響を与えてくれた作品の一つ、それは1996年ブッカー賞受賞作

Graham Swift「Last Orders」


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あらすじ〜

肉屋のジャックが胃がんで亡くなります。彼は自分が死んだら
遺灰を桟橋から海にまいてくれと、妻エイミーへ手紙を書いて
渡していました。しかしエイミーは自分には出来ないと
ジャックの友人に託すことにします。そして友人たちが
桟橋までドライブしている間に、それぞれの立場から見た
ジャックの人生が明かされるのでした…。

これは大好きな話で今まで何度も読みました。
プロットはWilliam Faulknerの小説「As I lay dying」
(邦題・『死の床に横たわりて』)が元ネタになっていますが
この小説はこの小説として、独立した輝きを持っています。
複数の人間からの視点で書かれているので、最初は
分かりづらいのですが、普通の人間が送る人生のほろ苦さ、
切なさが描かれており、読み終わった後はじんわりとした
静かな感動が、水面のように心に広がります。

イギリスの労働階級の英語で書かれているのですが、
全体的に読みやすいです。
なるべくなら英語で読むことをオススメします。私は知りませんが
うちの姉に薦めたら、邦訳が「〜だべさ」とかいう日本語
だったので、味わいもへったくれもないと言っていました(^-^;
(日本語ってワーキングクラスの言葉が無いのかしら。
いかんともしがたい壁…)





マイケル・ケイン主演で映画にもなってるのですが、日本では未公開?
良い映画なんですけどねえ…(日本人は好きだと思います)。
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posted by yuki at 18:22| Comment(2) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Lion〜実話を映画にすることの難しさ


Jinyさんからリクエストがあった映画の感想です♪


Lion (2016年オーストラリア)

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あらすじ〜

インドの小さな村で育ったサルーは、兄が列車に乗っているのを
見て自分も一緒に飛び乗ります。列車は止まらず、カルカッタに到着。
列車から降りたサルーは兄とはぐれてしまい、街を徘徊します。
その後、野宿同然で生きていた彼は、孤児院に引き取られます。
身元が分からないサルーを、孤児院の先生は、養子を欲しがっている
オーストラリアの夫婦の元に行かせることに決めました。

そして25年後、サルーは立派に成長し、ホテルマネージメントを
メルボルンで学ぶことにするのですが、そこでインド出身の学友に
「生まれ故郷を探してみたらどうだ?」と提案されます。

感想

冒頭の子供時代のパートは良かったです!インドの広大な自然の景色、
インドの貧しい街、悪い大人などの描き方がリアルで面白かったです。
(インド人の友達は「あれは本当のインドじゃないよ!」言ってましたが(笑))

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しかし成人後の生活のパートになってから、イマイチなんですね。
彼は自分の故郷を正確に覚えてないので、googleでしらみつぶしに
探すのですが、そこまで行動に出る動機が弱いのです。
また、実の親に自分が生きていることを知らせたい思いが強過ぎて、
付き合っている彼女と衝突するんですが、観ているこっちからすれば
「( ゚Д゚)ハァ?25年間、何不自由なく裕福にオーストラリアに暮らしてて
何でいきなり、実の母親の気持ちを考えたら苦しい、とか言い出してるの?」
と思うわけです(少なくとも私はそうです)。

まぁ人間の行動は一貫性があるわけではないので、実際の人生では
こういう唐突に思い立って行動に出る、ということはよくあるんですが、
映画と言うのは観客に「なるほど、主人公は〇〇という理由で〇〇するんだな」
と確信させないといけないわけです。
その点で、主人公の葛藤が甘いというか、それまでの人生と、矛盾があるように
見えてしまったんですね。実話をベースにドラマを作ることの難しさを感じました。

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しかしこの映画はもともとは狙って作られたわけではなく、映画祭で公開されて、
人気があったので一般公開されたという経緯があるので、そう考えると
オスカー6部門ノミネート、という結果は大成功と言えるのではないでしょうか。
すごく感動する、というわけではないですが、まずまずの出来栄えの映画だと思います。

老いた母親を演じる、ニコール・キッドマンはとても良かったです。
外見の美しさだけが、美しさではない!女優根性を見ました!

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※皆さんはこの映画の概要はご存知だと思うので、多少ネタバレっぽい記事に
なりましたが、私が感動した部分は秘密にしておくので、ネットの情報は見ずに
映画館で是非ご自分の目で確かめて下さいね!
posted by yuki at 13:50| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月01日

Toni Erdmann〜分かる人には分かる父娘関係


前回の記事でご要望が多かったものから
感想を書いていきますね♪

Tony Erdmann(ドイツ・2016年)

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あらすじ〜

ドイツに住むウィンフレッドは、遠方に住み、バリバリ仕事に忙しい娘と
殆ど会う機会がありません。
そこで娘の住むルーマニアに、突然、サプライズ訪問をすることに。
しかし娘の仕事仲間や上司を前に、くだらない冗談を飛ばし、
おかしな振る舞いをする父親に、娘はゲンナリ。
親子の絆が固くなるどころか、ますます溝が深まっていく一方なのでした…。

感想

父親のウィンフレッドが、娘の周りの人と打ち解けようと冗談を言うのですが
それがスベりまくりなんですね。そりゃ「うちの娘は相手をしてくれないから、
他の子を代わりに娘にしようと思うんだ。はっはっはっは、冗談だよ」なんて
言われても、周囲はドン引きですよ。キャリアを堅実に積み重ねてきた
娘は、そんな父親の姿を見て、「お父さんのせいで、私の評判はめちゃくちゃに
なるじゃない!一体何がしたいわけ?いい加減にしてよ!」とイライラプリプリ。
そんなエピソードの繰り返しが、映画の大半を占めています。

これの何が面白いのか、分からない人には全く分からないと思いますが、
私は一気に引き込まれましたね〜。
こういう空気読めないタイプの父親(または夫、彼氏)に手を焼いている
女性は、実は相当な数でいるんじゃないでしょうか。
「あ〜何でこの人、人前でそんなこと言うのよ!恥ずかしいでしょ!
いい年の大人なんだから、もっとちゃんとしてよ!身内に迷惑かけて
何とも思わないのかしら…あーあ」と毎回トホホな気分にさせられる。
しかし最後は「ま〜こういう人だからしょうがないなぁ…」と諦めて、
そのままの相手を受け入れることにする。
そんな女性の心境を、ユーモアたっぷりに描いています。
同じように空気読めない父親を持つ私は、「この映画を作ったのは
女性だろうな」とすぐに分かり、その構図が読み取れて楽しめました。
そうじゃないに人にとっては???で、ついていけないと思います。
観る人を選ぶ映画ではありますが、欧州のキッチュな映画が好きな人には
ツボにはまること間違いなしです☆カンヌで絶賛されたのは分かりますね。

これ私の住んでいるところで、チケットが完売するくらい人気だったのですが、
なかなか観る気が起こりませんでした。理由は162分と映画が長いのと
何故か私が↑上のポスターを見て「シリアスな重い映画」と勘違いしていたから。
あの画像は映画のワンシーンなのですが、一体どんな場面なのでしょうか
見てのお楽しみに!

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レープクーヘンという名のお菓子♪(クーヘンとはドイツ語でお菓子のことです。)
ドイツではこんなお菓子を、クリスマスツリーに飾るそうです!
posted by yuki at 15:53| Comment(6) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする