2017年08月14日

Lobster〜抑圧によって希求するもの


今日はギリシャの鬼才、ヨンゴス・ランティモス監督の映画『ロブスター』を
ご紹介します。

Lobster(アイルランド、イギリス、ギリシャ、フランス、オランダ2015年)



ヨルゴス・ランティモス監督と言えば、『Dogtooth』(邦題『籠の中の乙女』)で
一躍世界的な脚光を浴びます。厳しい制約の中で人間がどのように生きるか、
というのがこの監督の作品の大きなテーマなのですが、この『ロブスター』でも、
監督の持ち味がいかんなく発揮されています。

あらすじ〜

妻と離婚することになったデヴィッドは、独身者を許さない街の決まりにより、
ホテルに強制送還されて、45日内に相思相愛のパートナーを見つけることを
義務付けられます。期間以内に目的を果たさないと動物に姿を変えられてしまうと
いう恐ろしい掟があります。(タイトルの『ロブスター』とはデヴィッドが
「成りたい動物は?」と聞かれた答え)。
ホテルではいかにパートナーを持つことが健全で素晴らしいか、ということを
得々とホールで語られる一方、各人が住む個室にメイドがやって来て、性欲が
高められるのですがいざ、という時に寸止めされるというむごい仕打ち…。
そして動物になりたくない人間は、好きでもない相手に恋心を偽って、
カップルになっていく中、デヴィッドはホテルから脱走して、独身者のみが
暮らす森に逃げ込むのでした。

私たち人間は社会で生きていく上で、様々なルールを課せられています。
ここまで極端なルールは無いにしろ、厳しく強制されることによって
反発して逆のことがやりたくなるというのが人間の心情というもの。
権力によって抑えつけようとしても抑えられない、人間の摩訶不思議さ。

この映画のラストはかなり衝撃的なのですが、色々考えさせられます。
思考実験をするにはもってこいの作品だと思います。
さすが哲学の国ギリシャやな〜と思わされました。
※性描写がきついので、苦手な人は要注意です。

Rachel-Weiz-The-Lobster.jpg

レイチェル・ワイズが美しすぎるよ!
posted by yuki at 20:04| Comment(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月08日

The other side of Hope〜日本ダイスキ・フィンランド人


世界にはたくさんの日本愛好家の方がいらっしゃいます。
その一人が、フィンランドの映画監督、アキ・カウリスマキ

19歳の時、兄のミカ・カリウマスキに連れられて、ロンドンで観た
小津安二郎監督の『東京物語』に感銘を受け、映画監督を志します。

彼の映画は、登場人物は殆ど無表情でセリフは短く、映像に動きはありません。
ミニマニズムの中に、人生の希望を見出す、というのが彼のスタイルです。
小津監督の影響を大きく受けているのが分かります。
そして毎回何かしら日本文化が映画の中に登場します。
とにかく日本文化が好きでたまらない監督は、過去に13日間日本に滞在した時
毎日寿司を食べに行ったので、13日目に同行の日本人は音をあげて
「今日は寿司以外にしてくれ」と懇願したそうです(笑)。

そんな監督の最新作
『The Other Side of Hope』



あらすじ〜
シリアからフィンランドに、やっとの思いでたどり着いた難民カレド。
しかしフィンランド当局は彼の難民認定を却下し強制送還の判決を出します。
そこから逃げ出したカレドはレストランの経営者ウィックストームの助けを
借りて、働くことになったのですが…。

難民問題や右翼化する欧州の社会を、ユーモアたっぷりに描いています。
レストランの料理を人気のあるものにしようと、寿司を始めるのですが
そのシーンがもうおかしい(笑)。日本人じゃなくても大爆笑(笑)。
難民問題について、監督の見解は甘いかもしれませんが、
根っからのヒューマニストなのでしょう。現実でもこうやって人間同士、
困った時は助け合えたらいいのにと、思わずにはいられません。
映画の中でひと時のファンタジーを味わせてくれます。
心がほかほかになる一作でした。
カリウマスキ監督が初めての方も、観やすく楽しめると思います!


が、

何と

この映画で監督は引退してしまうのです!!!

何でだー!


まだまだ世界にはあなたの映画が必要なんだよ!!

宮崎駿さんみたいに撤回してくれー!

othersideofhope.jpg

ここで笑いが止まらなかった…。皆さんも是非観て下さいね!
posted by yuki at 21:37| Comment(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月05日

KEDI〜地域猫と地域の人々


トルコ映画『KEDI』を観てきました!



KEDIとはトルコ語で猫を意味します。
トルコのイスタンブ−ルに住む人々と猫たちを
描いたドキュメンタリーです。

この猫たちと住民の絆がすごい!

猫たちは(猫らしく)自由自在に行動して、カフェやブティックに行ったり
八百屋さんや魚屋さんに出入りしているのですが、お店の人やお客さんは
猫をシッシと追い払わず、それどころか食べ物をあげて可愛がっています。
(その食べ物をねぐらまでとことこ歩いて運んで、自分の仔にあげる
シーンが何とも愛らしい。)
街の人は猫の水飲み場までわざわざ作ってるんです!

地域の人はもう家族の一員として

猫を受け入れているんですね!


お店に猫が徘徊していいのか、とは思うんですが(笑)トルコの人たちの寛容さが
羨ましくなりました。
また猫たちの表情が良くて、まるで哲学者のように人間を眺めているんです!

猫って本当に不思議な生き物ですよね〜。
猫好きな方は見て癒されて下さい。

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餌を待つ仔猫たちのキュートさに悶え死にますね(笑)。

posted by yuki at 19:34| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする